「したいこと」を考えるだけでは夢は叶わない?!|「なりたい自分」の描き方

こんにちは。カウンセリングオフィスボイスのうえだふみこです。

自分のしたいことさえ見つかったら
目標に向かって頑張れそうな気がするのに
いつまでたっても見つからない・・・
もしかしたら私の人生はずっとこのままかもしれない・・・

もやもや状態に嫌気がさして
したいことを探すのに疲れてしまったあなた。

でも、まだ諦めないで!

「なりたい自分」にたどりつくためには「したいこと」を考えること以上に、大事なことがあるのです。

この記事では、「なりたい自分」を実現するために知っておきたい4つのポイントをお伝えしますね。

「どうせ無理」は誰の声?

あなたは今までに興味や関心を持ったものがなかったわけではないはず。
「絵を描くのが好き!」
「外国語を話せるようになったらいいなぁ」
「人の役に立つことをするのって、なんか楽しい」

でも将来の仕事として考えはじめると、浮かんでくる言葉がある。

「どうせ私には無理・・・」

自分の頭の中に出てきた言葉だから、自分の声と思っているかもしれないけれど、
それは本当にあなたの声でしょうか?

よく観察してみてほしいのです。

大人の声? 子どもの声?
女の人? 男の人?
声のトーンは? どんな表情?
どんなイメージが浮かんだでしょうか?

その人は、「あなたのために」と思っている家族? 学校の先生? 先輩?

「そんなことやって食べていけるの?」
「それってずっと続けられるの?」

できない理由を並べられると自分でもそんな気がして、いつしか「どうせ無理」と諦めるようになってしまう。

「あなたのために」と思っている人たちは人生の先輩かもしれない。
でも、その人があなたの進みたい道の経験者でないのなら、一つの意見として留めておくだけでいいのです。

人は自分が経験した以上のことは分からないのです。

あなたが本当に耳を傾けなければならないのは、自分の内なる声。
「どうせ無理・・・」という言葉が浮かんだら、誰の声なのか探求してみてくださいね。

具体的なイメージを描く前に必要なこと

進路選択や職業選択など将来のことを決めるときには、「何がしたいのか?」をテーマに会話が進みます。
でも、それが分からないから困るのです。

「したいこと」を考え続けても、答えはなかなか出てきません。
旅に出るためには目的地を決めなければなりません。
「どこに行きたい?」と考え続けるだけでは旅先は決まらないのです。

必要なのは、「自分がどんな状態になっていたら、満足できそうか?」という抽象的なレベルからまず考えてみること。
「行きたい場所」はその後に考えることなのです。

「おいしいものを食べて、心も身体もゆったりした状態になっていたら、満足していそう」だと思ったら、自然豊かな温泉地が候補地としてよさそうですよね。

「普段とは違う非日常的な空間で、ワクワク、ドキドキの体験をしたら、楽しいかも」が答えだったら、ディズニーランドみたいなテーマパークがいい。

将来の「なりたい自分」という目的地にたどりつくのも、「どうなっていたら、自分が満足していそうか?」という理想の状態像からイメージしていくことが大事。

その答えが出てはじめて「そうなるためには何をしたらいいのか?」「何が必要なのか?」と具体的なことが見えてくるのです。

「なりたい自分」と「なれない自分」の葛藤を減らすには?

「なりたい自分」という理想の自分像がイメージできて実現のために必要な具体的なことが分かったらそれに向かって歩いていくだけ。

ただ、行動を起こしていく過程では、
「うまくいかないこと」「つまづくこと」が起きるものです。
それはとりもなおさず、あなたが行動している証。

そこで乗り越えるための次の行動がとれればいいけれど、諦めの境地に入ると「行動しない・できない」を正当化しようとする心理が働きます。

「別に今のままでもそんなに困ってないし・・・」
「私にはもともとそんな能力はない・・・」

「なりたい自分」と「なれない自分」を行ったり来たりするときは、強い葛藤が起きて苦しくなります。
すると、今の自分を正当化して楽になろうとするのです。

行動を起こすと、「障壁はでてくるもの」「葛藤は起きるもの」とまず思っておいた方がいい。
そのうえで自分に問いかけてみてください。

「諦めていることはなんだろう?」
「どんなことが足りていないんだろう?」
「どんなサポートがあったらいいんだろう?」

質問に答えていく中で、今の自分にとって必要なものは何かが分かってくると思うのです。

「なりたい自分」になることより大事なこと

「なりたい自分」にたどりついたら達成感を味わえそうな気がするし、そうなるために前進しているようなもの。

ただ意外にも、目標に達成しても思っていたほどの充実感はなかったり、あったとしても一瞬だけだったりする。

「次に何をしていいのか分からない」「次の目標を見つけないといけない」気がして、落ち着かない状態になることがあります。

なぜ、こんなことが起きるのでしょうか?

それは目標を達成することだけに意識が向けられて、到達するまでのプロセスを楽しめていないからです。

登山にたとえるなら、頂上にたどり着くことだけに集中して、周りの美しい景色に目もくれず、仲間との会話にも興じない。
ただストイックに登り続ける。

なんて、もったいない!

なので、「なりたい自分」を目指しつつも、プロセスを楽しむ余裕を持っておいてほしいのです。

困ったときに助けてくれる誰かの存在。
「できなかったこと」が「できること」へと変化した自分の成長。
諦めないで取り組む粘り強さ。

山を登る過程で身に付けていくもの、発見するものは、あなたのリソース(資源)となって夢を叶えること以上にあなたの人生を豊かにします。

まとめ

「なりたい自分」を実現するためには、順序があります。
まず「自分がどんな状態になっていたら、満足できそうか?」を考えること。
つぎに「そうなるためには何をしたらいいのか?」を考える。

「なりたい自分」へのプロセスでは、いろんな壁が出てきます。
「どうせ無理」「別にこのままでも困っていないし」という、心配する周りの人たちや弱気な自分の声。
でも、本当に耳を傾けるのは、あなたの奥底にある内なる声。

「なりたい自分」になることも大事だけれど、そうなるプロセスで得られるものはお金には代えられないあなたの財産になることを忘れないでくださいね。

<参考文献>
安冨歩(2011):生きる技法.青灯社.
森岡毅(2019):苦しかったときの話をしようか.ダイヤモンド社.

上田 富美子(うえだ ふみこ)

心理学の知識やスキルを日々の生活で活かして、心も身体も健康になって、人生を豊かにしたい人のためにブログを書いています。

臨床心理士・公認心理師・SEP(ソマティック・エクスペリエンス・プラクティショナー)

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