人は、こんなにも変われる

自分のために歩きはじめたクライエント様たちの回復のものがたり

自分はこのままでいいんだと思えて、前に進むことができました <Aさん 40代女性>

子どもも大きくなり、仕事のステップアップを考えはじめて、公私ともに順調に過ごしていたAさん。
しかし、SNSの誹謗中傷によって、それまでの平和な毎日が一転しました。

どこの誰が書いたのかも分からない。
会う人会う人を「この人かも?」と疑わずにはいられない。
仕事には行くものの、誹謗中傷してくる相手は職場にいるかもしれない。

どこに地雷があるのか分からないような日々の中、神経をすり減らして眠れなくなっていました。
「誰かがいつも自分を監視しているような気がして、外に出るのが怖かった。」
「不眠が続いて、毎日がつらかった。」と言います。

カウンセリングを受けてAさんはどう変わったのでしょうか?

「心が軽くなって、よく眠れるようになった。」
「周囲の人に対しても、不安を感じることなく接することができるようになった。」と振り返ります。

さらに・・・
「自分はこのままでいいんだと思えて、前に進むことができた。」と言うAさん。
本来の姿を取り戻していくAさんは、症状が緩和しただけでなく、自己受容も進んでいたのでした。

カウンセリングをはじめた頃のAさんは、神経系がとても高ぶっていました。
誹謗中傷の内容を思い出すだけでも苦痛な表情を浮かべるAさんには、2つのことを事前に伝えました。

①どんな内容だったのか話さなくてもいいこと
②思い出すとどんな感情や身体の感覚がするのか教えてほしいこと

Aさんはこの2つを守ってくださったので、実際どんな出来事が起きていたのか詳しいことを私は知りません。
でも、知ることはそれほど大事なことではないのです。
大事なのは、Aさんの身体の中で起きている反応に気付いて、身体がしたいことをしてあげること。

深いトラウマを抱えているとき、無理に過去を語ることは脳を再びパニック(再トラウマ化)に陥らせるリスクがあります。
私が注目したのは、Aさんの語る内容ではなく、今この瞬間の「身体の反応」でした。

身体がほっとできる感覚を探すことから始める
「イスの座面に支えられているお尻の感覚」「足の裏が地面に着いている感覚」を丁寧に確認していただきました。

神経系の解放をガイドする
凍りついていた身体の緊張が、微細な震えや深いため息として現れるのを安全なペースで待ちました。

視界の変化
セッションの終盤、Aさんには視界の変化が起きました。そのときのことをこう語ります。

 
「今まで見ていたものの色が鮮明になり、綺麗なものを心から綺麗と思えるようになり、自分の目と心に映るものの感性が変わって、世界が変わった。」

本来の生命力が、一時的なトラウマのエネルギーによって圧倒されていたAさん。
逃げたかったけれど逃げきれなかった身体のエネルギーを微細な震えや呼吸で解放していくにつれ、Aさんの視界は再び色彩を取り戻したのでした。

「今まで頑張ってくれてありがとう」と思えるようになりました <Bさん 40代女性>

小さい頃から周りに合わせてばかりで、「いい子」で生きてきたBさん。
過去にはカウンセリングを受けたこともありましたが、根本的な悩みは変わらないまま、仕事に、子育てに頑張っていました。

転機が訪れたのは、職場の人間関係に変化が生じた時でした。

人手不足により仕事量が増えて、休日も出勤するようになっていたBさん。
追い打ちをかけるように、ある同僚から嫌がらせを受けるようになったのです。  
出勤するのが怖くなり、経験したことのない過呼吸が起こる。
仕事の段取りが分からなくなって、優先順位がつかない。
同僚を刺激しないように、神経を張り巡らす毎日。

Bさんはどうなったのでしょうか?

カウンセリングを受けはじめてから、職場の上司にも勇気をもって相談し、職場環境を調整してもらいました。
そして、Bさんに少しずつ変化が起きました。

「話を聞いてもらい共感してもらうことで、心が落ち着き、体の緊張がほぐれていきました。上田さん(カウンセラー)とのお話を重ねていくうちに私の意識が職場の人間関係から自分自身へと次第に移っていきました。」

はじめは人間関係で悩んでいたBさんでしたが、相手の機嫌に振り回されなくなると、長年の悩みだった「いい子」で生きてきた自分と向き合うようになりました。

「自分を見つめなおし、周りの目を気にして我慢ばかりしていた自分から、もっと自分の気持ちや存在を大切にできる自分に変わりたいと前向きな気持ちを持つことができるようになりました。」と心境の変化を語ります。

Bさんには「なりたい自分」がありましたが、その思いが強ければ強いほど「今の自分ではダメ」と自分を責めていました。
しかし、私の視点は違いました。Bさんのその反応は、過酷な環境を生き抜くために、彼女の神経系が必死に作り上げた生存戦略だったのです。

「困った自分」の正体を知る:
自分を責める声を「消し去るべき敵」ではなく、これまでBさんを「守り続けてきた味方」だったと認識の変化が起きました。

身体の底からの感謝:
ワークを通じて、「味方」がどれほどBさんを必死に守ってきたかを身体感覚で味わいました。数十年間の緊張から解放されたとき、身体の底から「今までありがとう」と感謝の言葉が出て、涙がBさんの頬を伝いました。

境界線の確立:
自分の中の「味方」がいる感覚が育つにつれ、相手の機嫌に左右されなくなり、境界線を引けるようになりました。

Bさんは言います。
「自分を押し殺して我慢ばかりしている自分のことを、私はなりたい自分像の対極にある、無くすべきものととらえていました。でも、我慢している自分も、必死で自分のことを守ろうとしてくれていたことに気付かせていただいたことがとても印象に残っています。我慢ばかりしている自分を否定せず、『今まで頑張ってくれてありがとう』と思えるようになりました。」

「誰かのための自分」を卒業したBさん。

自分の好きなもの・心地いいものが何なのかを大切にし、忘れていた目標ややりたいことにエネルギーを注げるようになりました。
これは、単なる性格改善ではなく、神経系が「警戒モード」から「安心モード」へとシフトした結果もたらされた、本質的な変容です。

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