変わりたいのに、変われない|自分と向き合うための「4つの質問」

こんにちは。カウンセリングオフィスボイスのうえだふみこです。

あなたにはどんな「したいこと」や「やめたいこと」がありますか?

・怒りっぽい性格を変えたい
・「ノー」と言えるようになりたい
・過食をやめたい
・頑張りすぎるのをやめたい
・不安を消したい

望み通りになるためには、意思の強さは確かに大事。
でも、心が折れるたびに、それだけではうまくいかないこともよく分かっている。

この記事では、「変わりたいのに、変われない」ときに向き合うための「4つの質問」についてお伝えしますね。

質 問1:「変わること」で、何が得られそう?

「願いごとを100個書き出しましょう!」
自己啓発本やセミナーでよく言われる言葉。

1年後にノートを振り返ったら、実現していることがいくつもあって驚くことも。

旅に出るためには目的地が必要なように、望みを叶えるためには「なりたい自分」をイメージすることは最初の一歩。

まず、「したいこと」や「やめたいこと」を明確にすること。

ここまでは誰でも思いつきますよね。
でも、これだけでは意識レベルにとどまって、充分とは言えません。

旅って、目的地に到着するだけで満足するわけではなく、道中や旅先で得られる体験や満足感を期待しますよね。

大事なのは、自分の内なる声に耳を傾けて、あなたの深いニーズを探ること。

「したいこと」ができたり、「やめたいこと」がやめられたら、あなたは何を得られるでしょうか?

たとえば・・・
怒りっぽい性格が変わることで、あなたが得られるものって何ですか?

不安が消えたら、どんな気持ちで毎日を過ごしていそうですか?

深掘りしていくと、あなたが本当に得たいものが見えてきます。

「変わること」で、何を得られそうですか?

質 問2:「変わらないこと」で、得てきたものは?

今まで自分なりに頑張ってきたけど、「何をやってもうまくいかない」と嘆いたり・・・

「変われない自分」に嫌気がさして、すべてを投げ出したくなったり・・・

でも、諦める前にちょっと考えてみてほしいのです。

「変わらないこと」で、あなたが得てきたものがあるとしたら、それは何でしょうか?

「変わらないこと」で悩んでいるのに、「得てきたものがある?」なんて不思議に思うかもしれませんね。

でも、私たちは意識だけで行動しているわけではありません。
意識が氷山の一角だとしたら、その下には目に見えない無意識がでんと構えています。

たとえば・・・
「怒りっぽい性格を変えたい」と頭で思っていても、「この人を怒らせてはいけない」と周りに気を使わせているとしたら・・・

「怒りっぽい性格」のおかげで、あなたは周りの不愉快な刺激から自分を守っていることになります。

「不安を消したい」と思っていても、あなたが用意周到に仕事をこなすと・・・

「この人に任せたら大丈夫」と同僚から高く評価されて、それはそれでうれしくなったり。

「変わらないこと」にはマイナス面が目立つけど、コインの表と裏のようにプラス面が必ずあります。

「変わらないこと」で、得てきたものは何ですか?

質 問3:「変わらないこと」で、失ってきたものは?

つぎは、「変わらないこと」のマイナス面を見ていきましょう。

マイナス面は普段から意識できる部分ですが、痛みを伴う部分でもあります。

あなたは「変わらないこと」で何を失ってきたでしょうか?

経済的な損失?
修復できない人間関係?
まきもどせない時間?
心と身体の健康?

たとえば・・・
「怒りっぽい性格」のせいで、ささいなことでキレて、大切な人に暴言を吐いてしまう。

怒ったあとはひどく落ち込んで、「自分なんていない方がいいんじゃないか」って自己嫌悪から抜け出せない。

「不安を消したい」思いが強くて、いつも誰かに「大丈夫かな?」と確認せずにはいられない。

しまいには相手からうっとうしく思われて、距離を取られてしまう。

たくさん失って、たくさん痛みを感じたものには、どんなものがありますか?

痛みに目を向けるのは、つらいものです。
ただ、それがあなたの心の叫びだとしたら、耳を澄ませてみてください。

「変わらないこと」で、失ってきたものは何ですか?

質 問4:「変わること」で、手放す必要があるものは?

「変わらないこと」について、どんなプラス面とマイナス面に気付きましたか?

両方の側面があると分かると、三面鏡に映った姿を見るように、いろんな角度から自分のことが見えてくると思うのです。

では、最後の質問です。

「変わること」で、手放す必要があるものは何ですか?

「怒りっぽい性格」から少し変わるために、何をどのくらいだったら手放せそうですか?

もしかしたら「怒る自分はダメ」という考えを、少しだけ緩めてみてもいいかもしれない。

「不安を消したい」が叶うために、手放しても大丈夫そうなものって何ですか?

イメージの中で不安な気持ちをシャボン玉に閉じ込めて、吹き飛ばしてみてもいいかもしれない。

「0か100か」で手放すのではなく、ジグソーパズルのピースを一つずつ外すつもりで試してみてくださいね。

まとめ

「変わりたい自分」には意識レベルではっきりした願望があるように、「変われない自分」にも無意識レベルでなんらかの理由があります。

質 問1:「変わること」で、何が得られそう?
質 問2:「変わらないこと」で、得てきたものは?
質 問3:「変わらないこと」で、失ってきたものは?
質 問4:「変わること」で、手放す必要があるものは?

自分の胸に手を当てながら「4つの質問」に答えていくと、「変わりたいのに、変われない」の全体図が見えてきます。

その上で、「変わらないこと」を選ぶのもあり。
人生のつまずきから抜け出るために、あなたが「そこまでしたいかどうか」に尽きると思うのです。

上田 富美子(うえだ ふみこ)

心理学の知識やスキルを日々の生活で活かして、心も身体も健康になって、人生を豊かにしたい人のためにブログを書いています。

臨床心理士・公認心理師・SEP(ソマティック・エクスペリエンス・プラクティショナー)

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