人の悩みを聞いても疲れない?!|心理士のセルフケア

こんにちは。カウンセリングオフィスボイスのうえだふみこです。

「人の悩みをずっと聞いて、疲れませんか?」
心理士をしていると、たまにこんなことを訊かれます。

質問する人は、「人の悩みを聞く=疲れる」と思っているのかもしれませんね。
「疲れない」と言えばウソになりますが、周りの人が思うほどではないのです。

この記事では、15年以上心理士をしている私が試行錯誤した結果、たどり着いたセルフケアについてお伝えしますね。

ひとこと日記を書く

日記を書きはじめてかれこれ10年になります。
飽きっぽい私が続けられるのはいくつかコツがあります。

「書かなければならない」と思わない

「日記は毎日書くもの」と思いがちですが、自分をしばるような考えは手放しました。

忙しくて毎日書けなくても、「まとめて2,3日分書くのもOK」とサボる自分もあり。

特別書くことがない日は一行でおわり。
「義務」にしないこと。

喜怒哀楽を中心に書く

日記は夜寝る前に書くことが多いもの。
以前は一日の中で「嬉しかったこと」「楽しかったこと」を書いて、ポジティブな感情の状態にして寝るように心がけていました。

ただ、そうするとその日の「悔しい」「納得できない」「ムカつく」などのネガティブな感情を吐き出す場がなく、それはそれでモヤモヤしていたのでした。

今はポジティブな感情も、ネガティブな感情も「どちらも私」と思って書いています。

おもしろいことに、数日後にネガティブな感情を読み返すと「私はこの時、これがすごく嫌だったんだな」といたわりの気持ちがわいてくるのです。

本を読む

読書も「最後まで読まなければならない」と思っていると、楽しくありません。

「おもしろくない」と思ったらやめる

ある時期、必要に迫られて自分の専門分野ではない本を立て続けに読んでいた時のこと。
だんだんつらくなってきて、思い切って「読みたい」と思っていた本に切り替えました。

すると、サクサク読める自分がいてびっくり!
興味のあり・なしでこんなに違う。

学校の授業でも、いろんな科目を1コマずつ受けるから授業に集中できるもの。

得意・不得意をまじえながら本を読むほうが、より楽しめることに気付きました。

電子書籍ではなく、紙の本を読む

本をバッグに入れて持ち歩くのは、重くて場所も取ってしまう。
そこで、電子書籍を導入。

でも、文字が頭に入りにくい。
実は、スマホの画面は「透過光」、紙の本は「反射光」という違いがありました。

スマホ画面の「透過光」だと脳は全体をさらっと認識するけれど、紙の「反射光」ではじっくり分析的に文字を認識する。

さらに、脳の領域は紙の本にペンで線を引く「書く作業」と、「字を読む作業」はまったく違う場所が使われて、複数の領域を使うと脳は活性化されて記憶に残りやすくなることを知りました。

なるほど、紙媒体の文字が頭に入りやすくて、残りやすいのはそのためだったのです。

サウナでととのう

以前は月に2,3回のペースで利用していたサウナ。
「夜眠れない」と言っていた友人が、サウナに通いはじめたら安眠できるようになったと聞いてから、週に2,3回のペースにアップ。

なんと、サウナには「正しい入り方」があったのです。

サウナの正しい入り方

我流で入っていた頃は、サウナ→水風呂の流れを3セット。
「汗はたくさん出した方がいい」と信じていたので、サウナ室では高温の上段に座っていました。
でも、この入り方は間違い。

まず外気浴がない。
正しくは、サウナ→水風呂→外気浴。
外気浴という休息があるからこそ「ととのう」のに、ただ急激な熱さと冷たさを繰り返すだけで身体に負荷をかけすぎていました。

つぎに座る位置。
サウナに入る前にちゃんと水分補給をして、出入口付近の高温ではない下段に変えました。
すると、以前はサウナ後によく起きていた頭痛が解消されました。

何事も流儀はあるものですね。

何も考えない時間を作る

サウナの高温と水風呂の冷温で身体は一気に交感神経が優位になった後は、外気浴で副交感神経が優位になって心身ともにリラックス状態へ。

起きている間はひっきりなしに考えごとをするのが普通になっている私たちは、一日のうちに6万回の思考をしていると言われています(これ、どうやって数えるのでしょうか?)。

外気浴の「ととのう」状態では、忙しい思考から解放される「何も考えない時間」を体験できます。

サウナ後は寝つきもよくなり、「その日の疲れを、その日のうちに」解消できて、翌日に疲れを持ち越すことはぐんと減りました。

ヨガをする

ヨガをはじめた頃は、複雑なポーズができることがいいと思っていました。
でも、もっと大事なことがありました。

呼吸を意識する

自律神経系は人が意識しなくても勝手に動いてくれますが、逆に動かそうと思って動かせるものではありません。
たとえば、心臓は私たちの意思とは関係なく動きますが、動きを意思でコントロールすることはできません。

呼吸も心臓と同じように自律神経系の働きによって行われます。
ただ違うのは、呼吸は唯一自分の意思でコントロールできるという点。

「自分」の「心」と書いて、「息」。
息は、自分の心の状態を表すもの。

浅い? 深い?
ゆっくり? 速い?

呼吸を通じて、今の自分が自分のペースで生きているかどうかが分かる。
ヨガは「動く瞑想」とも言われます。

「浅いなぁ」と気付いたら、わざと深く吸ってみる。
「速い」と思ったら、わざとゆっくりしてみる。

呼吸が深まると、不思議なことにちょっと難しいポーズができるようになるのです。

「ねじる」と「ゆるむ」の関係

ヨガには「ゆるむ」というイメージがありましたが、続けてみて気付いたのは「ねじる」ポーズが多いこと。

日々の生活では、車の運転をするときなど、ほどよい緊張感が必要になることがあるので、「ゆるむ」状態がいつもいいというわけではありません。

問題は、緩んでいいときに緩められるかどうか。

ヨガの「ねじる」動きであえてキュッと身体を固めてから、「ゆるむ」動きをすると緩みやすくなります。
緩んではじめて「身体は緊張してたんだな」と気付くのです。

「ゆるむ」ためには、「ねじる」をしてみる。

まとめ

昔は、世の中のブームに惑わされて新しいことを始めてみたり、高すぎる目標を掲げて続かなくなったりして、健康グッズがいくつもクローゼットで眠っていました。

今は、日記、読書、サウナ、ヨガを習慣化していますが、何をするにしても大事なのは「自分の感覚」に聞くこと。

合わないときって、どこかで無理をしていて「違和感」があるものです。
その「違和感」に気付くこと。
合っているときは、身体のどこかに「心地よさ」があります。

あなたの「違和感」と「心地よさ」に耳を澄ませて、あなたらしいセルフケアが見つけられますように。

<参考文献>
樺澤紫苑(2015):読んだら忘れない読書術.サンマーク出版.

上田 富美子(うえだ ふみこ)

心理学の知識やスキルを日々の生活で活かして、心も身体も健康になって、人生を豊かにしたい人のためにブログを書いています。

臨床心理士・公認心理師・SEP(ソマティック・エクスペリエンス・プラクティショナー)

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